今回は北近畿のお隣、福井県の嶺南地方、小浜にある鵜の瀬にまつわる神宮寺の湧き水をお送りします。
昭和の名水百選に選ばれた「鵜の瀬」これは湧き水ではなかった。
奈良、東大寺二月堂のお水取りで有名な儀式に、ここ若狭の神宮寺から湧き出る「御香水」を三月二日鵜の瀬に流し込むことにより、三月十ニ日に二月堂の横に湧き出てくると言う古式から伝わる悠久のロマン・・・
そんな752年から続いてきたお水取りに使われているその湧き水であります。2011年で1260回目になるという事です。
緊急の番外を書いたことでまえうしろ順番がややこしいことになりましたが、元に戻って続けます。
神宮寺に行った本当の事は、日本紅葉百選に選ばれています萬徳治の紅葉を見たさあまりについでに神宮時に寄って湧き水を頂いてこようと思い立ったのです。言うまでもなく上さん孝行である。
小浜までは、最近高速道路の小浜ICが開通して、これまで下りていた小浜西ICより小浜市内に行くのにも、古くから在る神社仏閣巡りをするのにも格段に便利になり、わが地方からも直通で約1時間ぐらいで行けるようになりました。地道で行くと有に2時間はかかります。・・・というわけで高速に乗り行く事にしました。京都縦貫道も舞鶴若狭道も多くは単線ですので、前に遅い車がいると時間の予定も狂ってきますが、今回はスムーズにいけました。
本来は萬徳寺で紅葉を見てから神宮寺に行くのですが、神宮寺に行ってからゆっくり紅葉を満喫しようと後で行くことにしました。
神宮寺は我が村にもあるので何故か親しみを感じるのですが、我が村の神宮寺は数年前に火災に遭い今では再建されたお寺は介護施設に使われており人様のお役に立っています。
神宮寺の由来は、明治以前までは神社の神さんと仏教の仏さんを一緒に祀っていたところから来た名前ということです。明治四年に国家神道により神と仏を分けさせられてお寺として現在に至る。
詳しくはHP
神宮寺でお勉強して下され。
高速を下りてナビにしたがって進むと回りくどい行き方になっているようですが、そのまま指示にしたがって進んでいくと格式のありそうな若狭彦神社の前を通りしばらく行くと、右手に立派な木々が見えてきましたので立ち寄ってみるとどうも神宮寺の山門にある木々でした。

この山門は神宮寺仁王門通常北門と言うらしいのですが重要文化財に指定されている鎌倉末期の作りのようで、素人の私では余り立派だとは思えるものではありませんでした。それより、門前に生えている木々の方が感銘を受けました(それも近くより遠くから見たほうがよかったです)。
本来はここから歩いて本殿に御参りするのですが、結構長い参道のようでしたし湧き水をもらう目的が有るので、本殿まで車で行かなければなりません。
という訳で正門下の駐車場まで乗りつけました。
駐車場から上に上がっていくと山門から続く参道に入りそこを本殿の方に進んでいくと左に受付事務所があり、拝観料400円を支払い行こうとするとチョツト待っていてくださいと後ろの方から出てこられ、今から説明をしますので付いて来なさいとの事、私たちのためだけにしてくれるのかと思いきや、先人の数人がお堂の周りにおられたので納得!まとめてして下さる事のようでした。

写真を見てもらえば分かりますが、本堂の正面の階段の上にしめ縄が取り付けてありそれに御幣が下がっています。
まさに神社の飾りですが、神主なのか坊さんなのか分からないが(おそらく坊さんだと思いますが)説明を聞いた内容では、本堂からそのしめ縄の中心を見上げて、正面に見えるポッコリ山(名前は知らない)の頂上から正月になると太陽が昇ってくると云う事らしい・・・その他本堂内の仏像や像や獏(バク)の彫り物の説明がありましたが、あまり書くと営業妨害になるといけないので興味の有る方は聞きに行って下さい。
で本題に戻して、湧き水は本堂前の広場の左奥の方に小屋が建っておりその中に「若狭井」と呼ばれている井戸があり。

そこから湧いてくる水を「閼伽水」(みかすい){清浄聖水}と言うらしいのですが、その井戸を出た湧き水は右に有る井戸に入りどこかに流れていっていました。

その若狭井の在る小屋の前には大きな椎の木がありなんでも樹齢500年の小浜市の天然記念物にしていされていました。

で湧き水をもらうにしても車を近くまで持ってこなければ水を持って行くのが大変ですので、その近くを見てみると観光バス用の駐車場が一番近いことが分かったのですが、この神宮寺の屋敷一円に獣防止用電気柵が張ってあって通って行く事ができず、汲み上げたペットボトルを一本ずつ電気柵の外に出して再度コンテナに入れて車まで持っていく破目なりました。 水は設置して在る杓子で汲み上げて漏斗でペットボトルに入れます。

でこの「みか水」を流す鵜の瀬を見てこなくっちゃ~値打ちがないとそこまで足を延ばす事にしました。
と言うわけで、鵜の瀬を見に行ったのですが、その前に「お水送り」の儀式を簡単に説明いたします。
私は参加したことはないのですが、パンフレットを見てお送りいたします。
三月二日 AM11:00から始まり21:00過ぎまで続きます(寒い冬ごくろうさまです)
11:00~山八神事:手向山八幡宮の講坊において行われる祈願神事。神宮寺別当職によってご祈祷された「赤土」にお神酒を注ぎ練り、講衆の役頭二人が長床の二本の柱に「山」と「八」の字を牛王杖(ごおうつえ)で書きつけ、天下泰平、五穀豊饒、諸人の安楽を祈る儀式。
13:00~修二会(法華セン法):神宮寺堂内で諸佛諸神を歓請(招く)し人々の罪を懺悔し諸佛の加護と大慈悲を願いその利益が普く一切に及ぶ事を祈願する「法華経」を典拠とした法要。
13:00過ぎ~弓打ち神事:神宮寺前庭で法華セン法に併せ手向山八幡六役の当役が怨霊魔事を退散させる二本の除魔矢を放ち、続いて弓道範士の四方祓いの射儀式が行われる。
13:30~奉納弓射大会:神宮寺前庭にて弓打ち神事に奉賛し各地の弓道諸家が参加し魔を祓う弓射大会が催される。
18:00~修二会(薬師悔過法):堂内にて神々を招き薬師如来を本尊とする古来よりの神仏混溝の悔過行法。この法会の利益はみ伽水z(聖水)を無上の「香水」に変じ、過去世よりの罪障を減し天下泰平・諸人安堵・五穀豊穣をもたらすと言われている。
18:30~同上(達陀):堂内・境内庭にて堂内法要の最後に至り八天(略)が影向し、天火は「達陀松明」を振り七里を結界し魔を祓い、水天は香水を散じ浄める独自の諸作が奉じられる。
19:00~神宮寺大護摩法要:境内に設けられた大護摩壇を中心に修験者が斧の大事・法弓大事・宝剣大事を奉じ、水師の願文奉上を終え達陀の火による大護摩法要が奉修される。
19:30~松明行列(神宮寺~鵜の瀬):大護摩の火は大松明、中松明、手松明に移され。行会中に加持された「御香水」を護り大小千数百本の松明が1,8キロメートル上流の鵜の瀬へと壮厳な行列が続く。
20:00~鵜の瀬大護摩供:鵜の瀬に松明行列が到着し神主の四方祓いが修されると、松明の火は護摩に移され諸佛諸神を勧請し行会の満行と参拝者の諸願の込められた松明が焚き上げられる。
20:30~送水神事:護摩壇の最火勢に至り行衆は鵜の瀬深淵近くに渡り、水師の送水文奉上、水切り神事が修され幽玄の中に「御香水」は淵の流れに注ぎ込まれ送水神事が厳修される。
21:00~送水神事を終え元の護摩壇に戻り結願作法を修し最後の法螺音声とともに行事が終了すると、出仕者や参拝者一同にお神酒が授与される。
終了・・・と、このように行事が行われる。・・・パンフを見ながら打つ事の大変さ あ~疲れた。
この方のHP
お水送りの神事の写真が一番よく分かりますのでお借れしました。(覗いてみてください、お水取りの儀式と同じくらい盛大に祭が執り行なわれる雰囲気が伝わってきます)
で、私たちは鵜の瀬を見学に行ってきました。

鵜の瀬の神社と瀬の全体像です

瀬と淵です。水がきれいで心が洗われます。
鵜の瀬一帯が公園になっていますが、その中に資料館もあり写真やフィギヤーで水送りの儀式が紹介されています。その資料館の入り口に蛇口が立っており、「鵜の瀬の水」が出てくるようになっています。
資料館の中に在るペットボトルを買ってセルフサービスで入れてくれと書いてありました。おそらく、昭和の名水100選に選ばれて作られたのじゃないかと思います。やはり、名水といえるのは神宮寺の「み迦水」だと思います。
・・・で何故ここ小浜の神宮寺と鵜の瀬が奈良の東大寺とどのような繋がりがあり、古来から「お水送り」と「お水取り」が執り行なわれてきた事が疑問だったのですが、この資料館で当地白石の神童を奈良の名僧に預けられ後に東大寺開山良弁和尚になられ、インドから渡来した「実忠和尚」の協力を得て東大寺を完成させた。その後二月堂も完成させ春を呼ぶお水取りが行われるようになったとの事。

なが~い文章読んでいただきありがとうございます。
ところで、神宮寺の湧き水(みかすい)ですが、あまり期待はしていなかったのですが長年湧き続けてきている井戸だけあって、たいへん美味しい水でした。
偏見と独断の水の味ランクは
(^_^)v (^_^)v (^_^)v (^_^)v (^_^)vでした。
それでは来年までお休みします・・・実はネタが枯れましたもので(~_~;)
良いお年をお迎えください詳しい場所は
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